RYEと映画

映画の話しでも・・・
手頃な価格でライ・ウイスキーを
買って来て、さて何を観ながら?
と、DVD棚を物色すると・・・
そだ、コーエンだとなりまして。


そ、ジョエルとイーサン兄弟の
「バーバ―」ですよ。


映画「バーバー」予告編



1940年代の末期をイメージして
カラーフィルムで撮ったのを
あえて白黒にした映画。
このDVDには白黒とカラー版の
二枚組なんだけど、確かめずに
ツマミ出したのはカラー版。
やはり観るなら白黒版です。


昔のピンク映画では低予算制作
が基本だったからセッセと励む
場面だけカラーってあったけど。
今じゃ白黒フィルムのほうが
高価になっている。


先日、レジ待ちでフト気付いた
んだけど「写ルンです」が現存
してルンですね、驚きました。
撮って現像に出して後日に受け
取りに行く、コンデジ時代に
そんな方も居るんだと驚いた。
あらら、パートカラーのピンク
だとか写ルンですとか話が脱線。


なにが飛び出す事やらお立合い。


義兄の床屋で働いているエド。
寡黙な男を怪優ビリー・ソーン
トンが演じます。
妻に、これまた予測不可能な芸域
を持つフランシス・マクドーマン
ドですから何かが起こるでしょう。



エドは緩やかな日常を送ります。
職場の養子社長とパートカラーを
している妻の行状も感じています。
そんなエドに一万ドルを出資すれ
ば儲かる事業があると言い寄る男。


浮気をネタに脅迫すれば一万弗は
手に入るとエドは実行するのです。
地味な毎日、妻は社長とパートカ
ラー、そんな居場所から離れたか
ったのでしょう。
あの激しいビリーが終始、落ち着
いた演技です。


結局、儲け話を実行したが故に、
三人の死人が出てしまう。
ジワジワと抑えた演出で描かれる
この映画、当時十代だったスカー
レット・ヨハンソンがエドの心境
を鎮めるベートーベンのピアノソ
ナタを弾く知人の娘役ですが、
後に一時代を築く女優としての
大輪の花を感じさせる大胆な役ど
ころが待ち構えます。


「やめろ、やめろって~、あ~」


何も無かったように流れた時間な
のに、気がついたらエドの末路が
待っていた。



ところで、この映画とライ・ウイ
スキーとの関連だけど、
検視官と名乗る男がやって来て
エドをバーに誘う。
俺にライ、こちらに珈琲、
と注文する。
君も吞めよと誘ったけれど・・・


これは言っておいてやりたい、
男は感動話の進展のように勘違い
しているのに気づいていない。
ライをひとくち呑んで
「実は、奥さんが妊娠していた」


我が子なら感動話です。
ところが、エドの一言は、
「俺たちにSexは無かった」


しばし、沈黙の時間
検視官は気まずさに耐えられなく
なり、席を立ち
「達者でな」と店を出て行く。
カウンターには、
ひとくち呑んだ、ライの残りが
香りを立てていた。

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