おとなのせかい、

町に十館を越える映画館が
あったが、数年前に最後の
一館も暖簾を下ろして無く
なった。
この一館の並びに洋画館が
あって横に服飾学院があり
経営者の姪が何の因果か、
ワタクシメの妻となった。


今では立ち退きになった後、
拡張道路になったのもある
が、大概はマンションかな。
youtubeで「銀座化粧」を
観たが、始まるなり服部の
時計台が映るが、今の時代
になっても、やはり名所と
感じる。



この映画が公開された頃は
親たちが今の俺達より若い。
「やらせろ」とカネで女に
迫る東野英次郎が長生きを
すれば水戸黄門になれるん
だから、この業界は面白い。
子供の頃に見ることも無か
った、小津や成瀬の映画を
観ていて、自分もトシ食っ
たなと大人の世界がわかる。


七人の刑事で重厚な役柄を
見せていた堀雄二も若い。
香川京子と若いカップルが
似合っている。
この時代の映画で白い衣装
が様になる女優さんとなる
と今見ると香川さんかな。


若い世代が主役を演じる、
そういう時代ではなく、
皆が、大人びていた。
今の時代は「若く見られる」
それがカネになる時代だけ
れど、子供の頃ってやはり
おじさんや、おばさんに
見える方が多かったかな。



銀座化粧   成瀬巳喜男監督   
田中絹代 花井蘭子 東野英治郎 香川京子 岡龍三 
1951年製作


今夕の、親子丼

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