ムコリッタ?

映画「川っぺりムコリッタ」


ムコリッタとは仏教用語の牟呼栗多
だそうで、時間の単位だとか。
その辺りは、
ま・・どうでもイイでしょう。
「かもめ食堂」「めがね」とか
小林聡美に、もたいまさこの映画を
思い浮かべれば、映画のニュアンス
が感じられるかと。
その、荻上直子監督のものです。



舞台は富山、イカの加工食品会社に
勤める松山ケンイチ、
毎日毎日、生のイカを捌いていると
食べる気がしなくなるような気が
しますが、慣れるのかなぁ?
詐欺事件で服役した彼が更生の機会
を与えられた職場。
社長が緒形直人、いい役しています。
折々に彼を励まして接する辺りが
とても好印象。


住いとなった壁の薄い棟続きの家屋
隣りには厚かましいムロツヨシ、
こういう彼はピッタリな適役です。
時として繊細な一面も見せる辺りが
人間です。


都会の一等地タワーマンション高層
でシャンパングラスを交わしながら
愛を語り合う人も居れば、百万の束
を手にして100の数を確認するのも
居るでしょう。
かたや、日本海に面した過疎な地で
隣人の生活さえ感じられるような
安っぽい建物で日々を送る人もいる。
何が幸せかは、それぞれの価値観に
よって違って来るけれど、
そんな人生論など考えたところで
自身の人生が、
そんなに変わる事はありません。
人生論なんて、
意味ありそうな言葉を並べて遊ぶ
ゲームのようなもので具体性の無い
スローガンのようなものでしか
ありません、と私は考えます。


似たモノたちが、背伸びをせずに
得たものを分け合い笑い和えていれば
穏やかな毎日が暮れて行く。


こんな負け犬たちの映画を見たらダメ
だとリキンデいる考え方もあるようだ
けど、
そう指摘する考えには余裕を感じない。
負け犬だなんて、あんた何様だって。
否定するものを考え出すより肯定する
ものに関心を向ける、そこにこそ進化
が望めるのです。
早計な誤解をされると困るけど、
旦那の遺骨を手にして、オナニーする
満島さんの、
ほんの短い流れだったけど、
愛を感じる良いシーンだったかと。


小林聡美も、もたいまさこも
片桐はいり光石研も出て来ないけど
曇りが無い荻上直子の作風が溢れた
映画だと感じました。


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