夜叉の健さん


The Shadow Of Your Smile - Toots Thielemans





夜叉とは
古代インド神話に登場する
鬼神だそうです。


福井県美原の漁村で、
盛夏でも長袖、人前では
肌を見せない修治が、
漁師として働いていた。


この漁村で育った冬子が
大阪で働いていた頃に知り合い、
結婚してこの村に来たのだった。


働きぶりは生真面目、
一徹で信頼できる男と
頼られながら
三人の子の親となり
堅実な毎日を送っていた。


そんな漁村に
「、いつまで続くものやら」
と噂された酒場が
新しく営業を始める。



「夜叉」 ジェントルスノー


呑み屋の主は、
ほたるの子と書いて瑩子。
酒場の名前が「ほたる」
大阪ミナミで働いていた
怪しげな色香が漂う魔性の女。


娯楽の無い漁村の酒場は、
たちまち血に飢えたような
漁師の男たちが夜毎に通う店
となり賑わうが、
これが漁村の禍の始まりとなる。


しばらくして、
瑩子の男が村に来て住むようになる。
呑み客を相手に麻雀を始め、
疲れたと言えばカンフル剤だ
と言って客に売るようになる。


瑩子のヒモが来てから
漁師たちの異変を察した修治は
原因が覚せい剤だと読み
止めさせようとして騒動が始まる。
男が持った包丁が
修治の衣服を切り裂き
表れた背中に夜叉を描いた墨が
彫り込まれていた。


「てめぇもヤクザじゃねぇか」
ヒモの、たけしが嘲笑う。
騒ぎから一旦、男は消える。
これで漁村が落ち着くか?
と願うところだけれど、
そうはいかないオッカサン。


男はヤク代が払えずに組織に
拘束され命を代償にと迫られる。
瑩子は手立て無く修治に助けを求める。


男の背中一面に彫られた夜叉の墨、
人斬り修治と言えば
大阪ミナミで名を知られた
昔気質の仁義を心得た侠客ながら
時代が変わってしまった、
ゼニカネの世界では生きられぬ


惚れた女と添うために足を洗って
堅気になると流れた村の漁師で
暮らすつもりでいたが、
馴染んだ潮風の匂いのように
オレを育てたミナミの街の匂いを
思い出させた。


女の願いを叶えてやりたいと
男を助けにミナミに戻るのです。


残念ながら唐獅子牡丹は流れませんし、
池部良の風間重吉も登場しません。


無機質なコンクリートのミナミの街で、
結局は
「もう、あんたの時代じゃない」
と軽くあしらわれる始末。
昔、弟分だった男は
暴力団の身動き取れない構成員、
自分の判断もできずに、
たけしを殺してしまう。


根っからの気質は変えられないけれど、
育ててくれたミナミの街では
オレはもう無用の男になってしまった
と漁村に帰るしかない夜叉の修治。
彼には待っている家庭がある。
この幸せに気付けば良いのです。


瑩子に言います
「ごめんよ、助けられなかった」
「いいのよ、私はまた、
ミナミに戻って壱から始めて生き直す」
と息子の手を引き、
夜汽車に乗って漁村を去る瑩子。


こんな流れなんですが、
なんと不器用な健さんの
イメージを覆します。
今回は瑩子を演じる田中裕子と
寝てしまうなる流れもあるのです。


あくまでそれらしく・・それらしく、
見せなくてもいいじゃないか、
これが健さんのイメージ、
不滅なのでございます。
ありそでなさそで、うっふん♪
でなければなりません。
彼が山城新伍や加藤鷹のような役回りで
演技をしてはいけないのです。


グッとガマンに耐えてこそ、高倉健。
それが男と、
スクリーンで教えられたもので
ございます。


田中裕子、いい頃です。
不思議な魅力が漂っていました。
魔性の女、オトコを狂わせる女、
いまでは地味になられたけれど・・・


音楽をJazzピアニストであり
作編曲家の佐藤允彦
彼がバークリーから帰国して来た頃は
大きな話題となりました。
凄い方だと思うけど理論に縛られて
高度でありながら面白味に欠ける
感じがするんですけどね。
演奏者がハーモニカの冒頭に紹介の
トゥーツ・シールマンス




今朝昼兼用・一献亭
トンテキが二枚入りだったので
今日も続いて、
トマトジュースに苺とヨーグルト。

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