しょう・・わ、

名匠・吉村公三郎の映画
「夜の蝶」



Night Butterflies - Yoru no chô - 夜の蝶 - Kôzaburô Yoshimura - Machiko Kyô - Fujiko Yamamoto -1957


京マチ子に山本富士子の共演、
京都のバー、おそめの東京進出を
モデルにした
川口松太郎の原作を
映画化したもの。
新選組で知られる池田屋の前に
炭問屋があった頃、

長女が元祇園の人気芸妓であり、
その後の、バーおそめの、ママ。



住まいの一画を6人ほどの
カウンター・バーに改築し
上質な客を得ることで
次第に京都の社交界から
東京銀座に進出するほどの
盛況を成功させる。
おそめのモデルになる役を
山本富士子が演じ、
大阪の出から銀座で成功した
マダムを京が演じている。
山本も京も大阪出身なのが面白い。


身体を張り、政界や経済界に
文化人迄もに入り込む才覚を
持ちながら
一蓮托生とばかりに男に惚れ込み
古希を過ぎた頃に入籍する辺り、
男と女の縁なるものに見事さや
深いドラマ性を感じます。



それほどの相手の男が、
然もありなん。
映画界の斜陽と言われる中で
東映を支えた大プロデューサーの
俊藤さんですよ。


俊藤さんは大阪に家庭があり
娘に藤純子が居る。
大昔、この近くに住まいがあった。
なにもかも片付いた頃に
惚れ合って冥途の道への
道筋を立てられたのかな?


映画では惚れた相手が医学を志す
芥川比呂志となっている。
ラストも現実とはまったく違う。
夜の社交界にうごめく男と女の、
さもありなんな
話の流れの一遍であり、
近藤美恵子、叶順子、藤田佳子のちの
流行歌の作詞家、悠木圭子、
市田ひろみ、
「黒田じゃないか・・」のセリフは
あるけれど、出演者名に表記も無い
デビュー頃の、田宮二郎など
大映の男女脇役陣、
総動員で作られている。


手相を見て貰った料金が100円と
言われて千円札を出し、
板垣退助の100円札で9枚の
お釣りなんて時代を感じさせる
場面もある。
90分ほどの見頃の長さでもある。


こんな中高年の大人たちが
総出演な映画なんて
やはり昭和は良かったんだと
思い知る。
オトナが大人であった時代。


不平不満、ゆるんだ👄の老齢や
若いのが眉間にシワ寄せてカッコ
つけたのドラマが溢れた軽い現代
に、この重厚さは感じられない。


ちと大人の歌を

あいつ 水原弘



水原さん、歌巧かったなぁ、
この歌となると旗輝夫だけど、
水原弘の声が聴きたい。
作曲の平岡はペギー葉山が
好きだったらしい。
ペギーさんの代表曲、
学生時代も平岡さんの作曲。
平岡さんは穏やかな表情を人前で
見せるのに、現実では破滅型の
JAZZミュージシャン、
アル中で還暦を待たずして
亡くなった。

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